原田マハのおすすめアート小説を紹介。美術がきっと好きになる!

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人気作家・原田マハさんの真骨頂とも呼べるのが「アート小説」です。

それまで全く興味がなかった私も、原田マハさんの小説を通じてすっかりアートが大好きになりました。

今回の記事では、そんな私が特におすすめしたい原田マハのアート小説を5つ紹介します。

アートが好きな方はもちろん、興味がない方も必ず楽しめる素晴らしい作品ばかりなので、ぜひ最後まで読んでみてください。

おすすめ5作品をいち早く知りたい方はこちらから!

原田マハのアート作品が魅力的な理由

原田マハのアート小説がなぜ評価が高いのか。その理由は、彼女の経歴をのぞいてみることで見えてきます。

1962年、東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2005年『カフーを待ちわびて』で作家デビュー。
(新潮文庫『楽園のカンヴァス』内 著者紹介文から抜粋)

彼女は日本文学と美術史を学び、その後実際にキュレーターとして美術館での勤務経験があるのです。

これだけ名作を執筆し続けられる理由は、原田さんが美術に対する深い知識と造詣を持っていることだけにとどまらないと個人的には思います。

誰よりも美術に対する探究心、情熱、好奇心、愛情、ロマンを持っているからこそ、これだけ愛されるアート小説を生み出すことができるのでしょう。

原田マハのおすすめアート小説5選

今回おすすめするアート小説は、以下の5作品です。

  1. 暗幕のゲルニカ
  2. 楽園のカンヴァス
  3. たゆたえども沈まず
  4. 常設展示室
  5. ジヴェルニーの食卓

特定の有名画家に焦点を当てた長編や、短編集までさまざまな作品があります。

それぞれの魅力やおすすめポイントを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

暗幕のゲルニカ

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まず紹介したいのは『暗幕のゲルニカ』です。

  • 2016年 新潮社より発売された長編小説
  • ピカソの傑作『ゲルニカ』をめぐるアートサスペンス

「ピカソ」「ゲルニカ」というワードは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

本作品ではなんと、そんなピカソの名作『ゲルニカ』のタペストリーが消えるという、とんでもないサスペンスが繰り広げられます。

現代とピカソが生きた時代を行き来しながら、絵画に託された想いに迫っていく作品です。

アートの知識が無い状態でも、一つのサスペンスとして物語に入っていける読みやすさがあります。

原田さんのアート小説の魅力を知る「第一歩」におすすめです!

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私にとっても、原田マハさんとアートにはまるきっかけになった作品です。

楽園のカンヴァス

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『楽園のカンヴァス』も、原田マハのアート小説を語る上で欠かせない作品です。

  • 2014年 新潮社から発売されたベストセラー
  • 第25回山本周五郎賞、雑誌『ダヴィンチ』プラチナ本 OF THE YEAR 2012、『王様のブランチ』BOOKアワード2012大賞など、多数受賞
  • ルソーの名作『夢』に酷似した絵画をめぐるアートフィクション作品

小説家として、原田マハの名前を一躍有名にしたベストセラーと言っても過言ではありません。

この小説はなんと言っても、あらすじで引き込まれてしまうほどストーリーが面白いです。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。

新潮社公式サイトより
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文庫の裏表紙に書かれたこのあらすじを読んで「いや絶対面白いやんこれ」と思いながら書店で購入しました。

一体どうなっていくんだろう?と読み進めていくうち、物語後半の怒涛の展開、そしてロマンあふれる展開にドキドキが止まらなくなります。

また、仕事としてアートに深く携わった経験のある原田さんが抱く「アートの世界の深さや魅力」に触れられるところも魅力的。

読了後思わず「この作品は本当にやばい。最高」と余韻に浸ってしまったほど、印象深い作品でした。これ、もはや全人類読んだ方がいいです!笑

たゆたえども沈まず

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3冊目に紹介するのは『たゆたえども沈まず』です。

  • 2017年 幻冬舎より出版
  • 巨匠・ゴッホとその弟テオの人生を画商・林忠正の関わりを軸に描いたアートフィクション

日本人をはじめ、世界中から愛される画家・ゴッホの人生に焦点を当てた作品です。

ゴッホの人生は悲壮なものとして語られがちですが、この作品を読むと、原田さんのフィルターを通してゴッホの純粋さ、絵画に対する愛情の深さに触れることができます。

そこに、ゴッホとその作品を愛する家族や画商の情熱も重なる、愛情深い物語です。

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琴線に触れるシーンも多く、私も何度も涙が出ました。

他の作品とは少し異なるアプローチで「人やものを愛すること」の美しさを教えてくれるような、愛情にあふれた作品となっています。

原田マハさんのゴッホにかかわる作品については、別記事で詳しく紹介しているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。

常設展示室

『常設展示室』はこれまでの3作品と違って、短編集となっています。

  • 2018年 新潮社より発売
  • 世界各地の美術館に常設されている作品から生まれた6つの物語が収録
  • 登場する名画はピカソ、フェルメール、ゴッホ、マティスなど有名画家の作品

世界各地にある美術館には、コレクションとして常に展示されている「常設展示作品」があります。

今作品は東京、ニューヨーク、パリなどにある美術館にそれぞれ常設展示されている作品を取り巻くアートフィクションが6つ収録された短編集です。

物語一つ一つの面白さはもちろん、読み進めていくと絵画や美術館に対する興味が湧いてきます。

そして、絵画を見て物語を考えた原田さんのように「私たちも自由な感性でアートを楽しんでいいんだ」と思える作品です。

短編集かつ難しい美術史の要素も少ないので、読書が苦手な方アートに興味が持てない方も楽しめる一冊としておすすめします。

ジヴェルニーの食卓

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集英社
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最後に紹介するのは『ジヴェルニーの食卓』です。

  • 2013年 集英社より発売
  • 印象派画家のモネ、マティス、ドガ、セザンヌの人生の一端を描いた短編集
  • それぞれと関わりを持った女性が語り手

本作品も、4つの物語がつまった短編集です。

印象派は今でこそ人気が高いですが、当時は世間から嘲笑されることも多かったと言われています。

そんな時代の波に飲まれることなく、自分達の思い描く美を追い求めた4人の画家の物語が、彼らとかかわりのあった女性たちの視点から描かれた作品です。

表紙に描かれたモネの『睡蓮』、そして最初に収録されている「うつくしい墓」という物語の影響が強いからか、この一冊には神秘的な雰囲気を強く感じます。

読めば間違いなく、印象派のことがもっと知りたくなる。そんな短編集です。

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これを読んで以降、絵画に対して神聖さを感じるようになった気がします。短編集でありながら、一つ一つの読み応えもたっぷりです。

まとめ

今回は、原田マハのアート小説おすすめ5選を紹介しました。

この他にも、原田さんのアート小説はたくさん出版されています。

一冊読めば「もっと読んでみたい」「アートのことをもっと知りたい」と、新しい扉が開くこと間違いなしです。

ぜひ一度お手にとって、原田マハのアート小説の世界を堪能してみてください!

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