今回は人気作家・原田マハさんの短編集『独立記念日』を紹介したいと思います。
- 原田マハさんの短編集は読んだことがない
- 読書が苦手 or 読みたいけど長編は気が進まない
- 最近またはこれから、新しいことを始めようとしている
- やってみたいことがあるけど、一歩前に進む勇気がほしい
そんな方にぜひ読んでほしい、素晴らしい一冊です。
著者・原田マハさんについて
原田マハさんの経歴
僭越ながら原田マハさんの経歴を簡単にまとめさせていただきました。
- 1962年、東京都出身
- 関西学院大学文学部日本文学科卒
- 早稲田大学第二文学部美術史科卒
- 伊藤忠商事、森美術館、ニューヨーク近代美術館などに勤務
- 2002年 キュレーター、ライターとして独立
- 2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞受賞
- 2006年作家デビュー
文学とアートの知識を備えた原田さん。公式プロフィールにて詳しい経歴を読ませていただくと、その度胸と大胆な性格にも圧倒されますよ。
原田マハさんの代表作
- 『カフーを待ちわびて』(日本ラブストーリー大賞)
- 『楽園のカンヴァス』(山本周五郎賞)
- 『リーチ先生』(浅田次郎文学賞)
- 『本日は、お日柄もよく』
- 『キネマの神様』
- 『たゆたえども沈まず』
- 『常設展示室』
ラブストーリーからアートフィクション、心温まるハートフルな作品まで、幅広く手がける原田マハさんの作品はどれも読みやすく、読書に慣れていない方にもおすすめです。
映画化されている作品も多いので、どうしても本は苦手という方は映像から入ってみるのもありかもしれません。
特にアート小説は、原田さんの美術に関する知見や情熱を感じられ、これまで興味がなかったという人に「美術館に行ってみたい」と思わせるような魅力があります。

私自身も原田さんの小説の影響で、美術館に足繁く通うようになりました。
原田マハさんのアート小説の紹介は他の記事にも投稿しています。
原田マハのおすすめ短編集『独立記念日』について
今回おすすめしたいのは、そんな原田マハさんの短編集『独立記念日』です。
2012年に初版が刊行されていますが、現在も人気の高い作品のようで、私は今年の夏に書店の「おすすめ品コーナー」に置いてあったものを手に取りました。

マハさんの影響でゴッホが大好きになった私は、表紙を見て「ゴッホだ!」と思わず手に取ってしまったんです。
24本の物語が詰まっていますが、あっという間に読み終えてしまい、さらに読了後の充実感もたっぷりと味わえる一冊でした。
『独立記念日』おすすめポイント
ここからは『独立記念日』の具体的なおすすめポイントについて紹介していきます。
誰もがそれぞれ経験する「独立」がテーマ

みなさんもこれまでの人生の中で、いろんな「独立」を経験されてきたのではないでしょうか。
この短編集の共通するテーマはそんな「独立」で、24通りの「独立」の物語が詰まった作品となっています。
もちろんその全てが「誰もが共感できる」ものではないし、読む人によって「私も経験した」「これから経験するかも」「私の人生には関係のない独立かも」など、それぞれの感想を抱くはずです。
しかしこの本を通じて24通りもの「独立」の物語を読んでいると、共通するメッセージが見えてくる気がしました。
それは「どんな独立も新たなスタートであることに変わりない」ということです。
これから新しいことを始めてみたいという方は、きっとこの一冊に背中を押してもらえるはずです。
軽快かつ読み応えのある物語
短編集とはいえ「24本」という数はなかなかの収録本数だと個人的に感じます。
振り返ってみると1本1本のボリュームはかなり少ないですが、読んでいるときはそんな風に「短いなあ」「あっさりだなあ」なんて感じることはほとんどありません。
むしろ「こんなに短かったんだ」というほど短編とは思えない読み応えがあり、この文量でここまで読み手を物語の深みに連れて行ってくれることに感動します。
そのため、軽快に読み進めながらも一つ一つの物語に高い満足度と充実感を得られるという、まさに「お得」な一冊であると言えるでしょう。
著者のユーモアを感じる「仕掛け」
『独立記念日』を読み進めていると、とある「仕掛け」に気がつくことができます。
短編集は一見バラバラの物語に見えて、共通点や繋がりがあるというのはよくあることですが、この作品は物語同士に独特の繋がりを持たせているんです。
ユーモアあふれる原田さんだからこその仕掛けなのかなと勝手に感じましたが、読んでいるとそんな発見もあってとても楽しいですよ。
- 誰もがそれぞれ経験する「独立」がテーマ
- 軽快かつ読み応えのある物語
- 著者のユーモアを感じる「仕掛け」
まとめ
今回の記事では、原田マハさんのおすすめ短編集『独立記念日』を紹介しました。
これまで原田さんのアート小説ばかり読んできた私も、この一冊で原田さん作品の新たな魅力に気がつくことができてとても嬉しくなりました。
読書家の方はもちろん、読書が苦手な方でもサクサク読めておすすめの作品ですので、ぜひお手にとってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。