この夏読みたい日本の名作|島崎藤村『破戒』

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この記事では「読書の夏」におすすめしたい一冊、島崎藤村の『破戒』を紹介します。

読書といえば「秋」という意見も多いかもしれませんが、実はこの「夏」も読書にはぴったり。

夏休み中の学生さん、社会人の方も「暑くて外に出られない」そんな日には、涼しい部屋で読書というのもなかなかオツです。

そんな「読書の夏」におすすめしたい名作と呼ばれる作品を紹介していきます。この機会に「名前は聞いたことあるけど、読んだことなかった」という作品に挑戦してみませんか?

「島崎藤村」と『破戒』について

今回おすすめするのは、島崎藤村の『破戒』です。

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破戒』というと、文学史の入試問題なんかでも登場するほどの名著。せっかくなのでそうした入試などでも役に立つ情報も含めて紹介していきます。

必修!「島崎藤村」についての知識

島崎藤村について、覚えておくべき知識を簡単にまとめておきます。

  • 明治時代〜昭和にかけて活躍した作家
  • 文学界』の創刊に携わり、まずは「浪漫主義文学」の運動に関わっていく
  • 叙情詩集『若菜集』で有名に(「まだあげ初めし前髪の…」の『初恋』は教科書に載るほどの名作)
  • 「浪漫主義」から「自然主義」派へ移行
  • 破戒』は日本文学最初の本格的な「自然主義小説」と呼ばれる
  • その後も『』『千曲川のスケッチ』『夜明け前』などの作品を執筆
  • 1943年(昭和71年)死去
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近代文学に関しては、「著者ー作品」の関係だけでなく、主義やなんの雑誌と関わりがあったのかまで理解しておきましょう!

浪漫主義:現実世界を超えたものに対する「憧れ」や「理想」を描く。
自然主義:かつての「写実主義」が発展したもの。人間や社会の実相を客観的に描く。

『破戒』の評価について

破戒』は1906年に島崎藤村の初めての長編小説として発表されました。

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「自費で出版した」というところに彼の熱意を感じます。

当時、初めての自然主義文学としてはもちろん、あの夏目漱石に「明治の最初の小説」と言わせるほど高く評価された作品で、多くの作家にも影響を与えました。

そして現在に至るまで長く愛されている作品で、文庫などの読みやすい形となって出版されています。新潮文庫さんのロングセラーランキングでも、トップ10に入っているほどの名作です。

おすすめポイント

ここからは具体的に『破戒』という作品のおすすめポイントをまとめていきます。

比較的読みやすい文体

近代文学というと、現代とは異なる独特の文体が苦手で「途中でリタイアしてしまう」という方も多いかもしれません。

しかし『破戒』に関しては現代に近い文体で、比較的読みやすいものとなっていると思います。

もちろん、馴染みのない言葉も多いので後ろの注釈を見ながら、という形にはなりますが「近代文学のファーストステップ」としておすすめできる作品です。

イメージしやすい登場人物の設定

主人公の「瀬川丑松」は小学校の先生という設定です。

そのため学校での人間関係が中心となっており、現在を生きる私たちにとってもイメージが湧きやすいものとなっています。

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今と異なる点ももちろんあるので、この時代の小学校事情が見えるのも面白いです。

「世界観のイメージが湧かなくて話に入り込めない」という経験があるという方も、この『破戒』であれば読みやすいかと思います。

当時の社会の価値観がよくわかる

この『破戒』を読み進める上で一番衝撃なのが、今とこの時代の価値観が大きく異なるという点です。

今は当然のように「差別はいけない」という考え方が根付きつつありますが、そんな世の中になったのも、当時のような時代を乗り越えたからこそ。

当時当たり前だった差別的な価値観の中で苦しむ主人公の心情描写には、思わず感情移入してしまいます。

「差別はいけない」という価値観が主流となりつつあるとはいえ、今でも何らかの差別に陰ながら苦しんでいる人は多くいます。そんな今を生きる私たちにとっても、大きなメッセージを持つものとなっているのです。

まとめ

今回は、「島崎藤村」の『破戒』という作品について紹介しました。

私も名作と呼ばれる近代文学作品はこれまでいくつも読んできましたが、この『破戒』は特に読みやすく、さらに内容的にもとても印象深いものでした。

「名作と呼ばれるものは学校で習ったものしか読んだことがない」という方には、この夏挑戦する1冊としてぜひおすすめしたいです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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